WX320K

前回の更新から少し*1 間隔が空いてしまった。もう6月も終わってしまうのが、非常に残念である。
今日はWX320K*2 を使い始めてから丁度3週間*3 である。そこで以前使用していたau鳥取三洋製A5518SA*4 との機能比較及び実際の使用感を述べていきたいと思う。
まず最初になぜWX320Kを使うことになった理由を説明せねばなるまい。話は5月21日に遡る。その日、僕は池袋駅のトイレに入ったのだが、運悪くA5518SAを便器の中に落としてしまったのだ。筐体内の空気を出しながら沈んでいくのを黙って見ているわけにもいかず、素早く取り出し電源を切りバッテリーを抜くとともに、筐体内に侵入した水を出来るだけ出し、そのまま学校へ向かった。その後、シリカゲルを入れた袋の中にA5518SAを入れて24時間程放置し、電源を入れてみたところ、バイブの振動が若干弱まったものの使用することが出来た。液晶も正常であった。そうやって1週間以上使い続けた*5 のだが、6月5日の午後になってメールの送受信及び通話が不可能になった。メールの受信に関しては10回に1回程度は成功するのだが、これではもはや携帯電話としての役割を果たさないので意味がない。ここに至り機種変かキャリア変更の選択を迫られたのである。
様々な選択肢を考慮した結果、auからWILLCOMに乗り換えることになった。本当は現行のCDMA 1X端末に機種変したかったのだが、最近はCDMA 1X WINが優勢で主としてライトユーザーを対象とするCDMA 1X端末は積極的に選ぶほどのものがなかった*6のである。また、思い切ってCDMA 1X WIN端末に機種変する手もあったが、たとえ高機能な端末のおかげで僕自身の潜在的な需要*7 が喚起されるとしても、それ相応の料金が要求され、月額使用料が高額となる*8ため、 WINへの機種変は諦めざるを得なかったのである。
かくして、WILLCOMに乗り換えることになったわけであるが、数ある端末の中からWX320Kを選んだのには理由がある。第一に、比較的最近発売された端末*9 であること。第二に、その条件に当てはまる端末のうち、比較的*10 ボタンが押しやすい機種であること。第三に、Operaが使用可能であること。以上3つの理由からである。ここで、なぜW-ZERO3 [es]を選択しなかったのかという疑問が残るが、6月7日の時点でAdvanced/W-ZERO3 [es]が発売される*11 ことは分かっており、わざわざ2万円弱を支払って購入しようとは思えなかったからである。また、Operaが使えないことを考慮してもWX320T*12 の登場を待つということも考えられただろうが、1ヶ月も気長に待つわけにはいかなかった。
次に、WX320Kの使用感をA5518SAとの比較を通して述べていきたい。まず、スペックに関してであるが、WX320Kのメインディスプレイの大きさ(2.2インチ)はA5518SAのそれ(2.2インチ)と同じである。筐体の大きさ・重さに関してもほぼ同じである。相違点は、BREW対応とJAVA対応、充電時間、メール保存件数、miniSDカードスロットの有無、カメラの補助ライトの有無、サブディスプレイということになる。BREW対応とJAVA対応に関しては、キャリアが違うので一概にはいえないが、MIDP2に対応したアプリのうちの幾つかはWX320Kで動かせるので、今までのように高額な通信料を払ってゲームをダウンロードする必要がなくなったことは大変素晴らしい。充電時間に関しては、カタログスペックでは、A5518SAは1時間50分*13WX320Kは5時間*14となっており、明らかに充電に時間がかかるようになった。しかしながら、WX320KはUSB充電対応のため出力電流が限定されている。ACアダプタがなくてもパソコンのUSB端子さえあれば充電できること*15 を考えれば、僕としては我慢できる範疇だ。メール保存件数に関しては、A5518SAは受信700件、送信300件であり、WX320Kは送受信併せて1000件である。送信・受信をそれぞれ何件にするかはユーザ自身で決められる分、WX320Kの方が優れている。miniSDカードスロットの有無に関しては、A5518SAminiSDカードにデータ*16をバックアップ出来たため便利であったのだが、WX320Kはそもそもスロット自体が無いので不便である。しかしながら、付属のCD-ROMに京セラのユーティリティーが付属しており、データのバックアップが出来ないわけではない。また、メールが定額のため、地図などの必要なデータは全てメールに添付して送ることが出来、実質不便は感じない。miniSDカードの読み込みが異常に遅く*17 イライラさせられたA5518SAよりはむしろストレスが少ないように思われる。カメラの補助ライトは撮影時というよりはむしろ、暗がりでライトの代わりになるという点で便利である。無ければ無いで我慢できる範疇ではある。サブディスプレイに関しては、WX320Kはモノクロ表示であり、サイズも小さい。しかし、A5518SAは常時点灯のDSTN液晶を採用しており、発色はどうこういうレベルではないにしろ、ボタンを押すこと無く時刻を確認できるのは大変便利で重宝していただけに残念である。
次にUI部分に関する使用感を述べていきたい。まず、メニュー表示などの動作速度であるが、どちらが遅いとか速いとかいうことはない。ただ、A5518SAは画像の表示速度が異常に遅かったので、WX320Kの方が2倍以上高速であるように感じられた。WX320Kでは文字のアンチエイリアスは無効になっている。A5518SAでは有効だっただけに表示が見にくく感じられた。CDMA 1Xというauが最も力を入れていない領域の端末でさえ、アンチエイリアスが有効になっているのだから、それぐらいは機能として付与するべきであろう。miniSDカードスロットも然りであって、最低限の機能はたとえPHSであろうとも付与すべきである。WILLCOMとしてはスマートフォンではない音声端末に他キャリアから移行してくるとは思ってもいないのかもしれないが、今時新規契約で1円の携帯電話でも付与されていて当然の機能が搭載されていないのは、僕としては非常に不満である。
では、そういった数は少ないにしろ、幾つかの不満点があるにもかかわらず、WILLCOMをこれから、少なくとも1年間は、使い続ける理由とは何だろうか。それはメールの定額制とパケット代の安さに集約される。今月のパケット数を例に料金を計算してみよう。今月は69697パケット*18使用した。利用期間は6月9日から6月30日なので一日当たり約3168パケット*19 となる。ここで仮に30日間同様に利用し続けたと仮定すると、1ヶ月当たり95040パケット*20 となる。計算を簡略化するために1ヶ月当たり100000パケット利用したとして計算を進める。まず、WILLCOMの場合、僕はウィルコム定額プラン*21 +データ定額*22 で契約しているので、10万パケットという定額料金の範囲内に収まり料金は1050円である。次にauのCDMA1X WINの場合、ダブル定額*23 /ダブル定額ライト*24 を申し込むと、基本料金の無料通話分をパケット代に充当することは出来ないので、ダブル定額/ダブル定額ライトの上限金額である、4410円となる。すなわち、WILLCOMの方がかなり安いということになる。しかしながら、パケット数が増加すればWILLCOMの魅力は少なくなっていくことに留意する必要がある。36万パケットを超過すればデータ定額の料金は3800円となり、ウィルコム定額プランの料金2900円と併せて6700円となる。一方auのCDMA1X WINの基本料金をプランSSとすると、MY割/年割+家族割(1年目)で1ヶ月当たり2400円であり、ダブル定額/ダブル定額ライトの料金4410円と併せて6810円となる。すなわち、パケット数が多い場合には、通信速度を考慮すると、決してWILLCOMの方が安いとは言い切れないのである。
以上、WX320Kの使用感を述べてきたわけであるが、WX320Kが自らの欲望を満たしてくれるような端末だとは思っていない。しかしながら、主として経済的な理由から妥協できる品質を備えた端末であることは確かだ。世間ではAdvanced/W-ZERO3 [es]が話題であるが、僕は来年以降のスマートフォンへの乗り換えを視野に入れ、今後最低10ヶ月はWX320Kを使い続けようと思う。

*1:というよりむしろ「かなり」である。来月には月刊誌と同様の間隔になりそうである。

*2:WILLCOM|WX320K及び京セラ | WX320Kを参照。

*3:すなわち購入日は6月9日である。ビックカメラ池袋本店で10%のポイントがついて4980円であった。

*4:A5518SA|au製品一覧|SANYOケータイアリーナを参照。

*5:もちろん万が一の事態に備えてバックアップは取っておいた。

*6:現在auのウェブサイトをみるとA5527SAの発売が予定されていることが伺える。

*7:例えばフルブラウザの使用が挙げられる。

*8:WINの料金プランはガク割の対象外である。

*9:すなわち、これは携帯電話に比べれば昨日が著しく劣っているPHSという分野においても、比較的ではあるがましな機能を備えていることを意味する。具体的に言えば、W-ZERO3[es], WX321J, WX320Kが該当する。

*10:「比較的」なのであって、絶対的に押しやすいわけではない。これについては後述する。

*11:マイコミジャーナルの記事を参照。

*12:WILLCOM|WX320Tを参照。

*13:実際は電源が入らなくなった状態でも1時間30分もかからず充電は終了していたように思われる。

*14:実際は、「充電が必要です」と画面上部に出て、電源が自動的に切られてから充電しても約3時間ほどで充電は終了する。

*15:いくらかリスクを軽減できる。

*16:アドレス帳、スケジュール、TODOリスト、ブックマークを含む。

*17:A5518SAよりも前に発売された東芝端末の読み込み速度には感心されられたものだ。

*18:これには当然ながらメールのパケット代は含まれていない。

*19:69697/22=3168.045454545

*20:3168*30=95040

*21:WILLCOM|ウィルコム定額プランを参照。

*22:WILLCOM|データ定額を参照。

*23:KDDI au: パケット割引サービス > ダブル定額を参照。

*24:KDDI au: パケット割引サービス > ダブル定額ライトを参照。